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特定調停とは?
債務者が簡易裁判所に申し立て、調停員に協力してもらいながら債権者と交渉して和解の道を探るもので、借金額や返済方法を検討して無理のない返済計画を立て直すという点では、任意整理とまったく同じです。
特定調停は現在は支払い不能に陥っていないが、このままではそうなる危険性のある債務者を救済するためにつくられた制度です。申し立ては特別な法律知識がなくてもできますし、手続も簡単です。さらに、債務整理の中ではもっとも少ない費用ですみます。弁護士に任意整理を頼むと債権者1件につき4万円前後の報酬が相場といわれていますが、特定調停ならば1件あたり700円~1000円前後しかかかりません。
ただし、任意整理を同じように債務者に固定収入があることと、3年程度で全額を完済することができる見込みがある人が前提条件となります。また、債務者の手続きなどのために何度か裁判所に出廷する必要があります。
弁護士や司法書士が債権者との間に入らないので、債権者からの取り立て行為は続くのではと心配されるかもしれませんが、そんなことはありません。一度申し立てをすると、債権者が債務者に直接督促や取立てを行うことは許されなくなります。
特定調停の流れと返済方法
まず、特定調停申立書に必要事項を記入して、借金の返済が困難であることがわかる資料(財産の一覧、債権者の一覧、生活状況及び借入、返済内容のわかるものなど)を添えて申し立てを行います。申し立てる先は、相手方となる金融業者の住所や営業所、事務所などを管轄している簡易裁判所です。もし、管轄所がわからなかったときは、財務事務所、各都道府県の貸金業担当部課係などに問合せてください。申立書は債権者ごとにつくりますが、提出は1つの裁判所にまとめてすることができます。
申し立てが受理されると、裁判所から調停期日が指定されます。そして、その期日までに担当の調停委員による事情聴取が行われます。任意整理でいう債務調査です。
そして、調停委員が債務者と債権者双方のいい分をもとに整理案をつくり、合意が成立するように仲介します。合意内容は調停調書としてまとめられ、これに従って返済がスタートします。
ただし、裁判所の仲介には拘束力はありませんので、債権者が合意しなければ調停は成立しません。その際には別の債務整理方法を検討する必要があります。
特定調停と任意整理の大きな違いは何ですか?
特定調停は裁判所を通じた任意整理といえばわかりやすいでしょう。基本的な手法は同じですから、ポイントやメリットとデメリットもほぼ同じです。特定調停の利点は、手続き中に給与のさしおさえなどの強制執行を受けたとしても、調停成立の見込みがあれば、それを停止できることです。任意整理にはこの力はありません。
一方、気をつけておかなければならないのは、和解時に作成する調停調書は判決と同じ効力を持っているということです。返済に入った後、万が一支払いが滞れば債権者は訴訟の手続をしなくても、差し押さえなどの強制執行をすることができます。同意条項を守って返済しなければならないのは任意整理も同じですが、特定調停はさらに厳しいと思ってください。
また、過払い金が生じていた場合、特定調停の手続の中では回収することができません。回収するためには別の不当利得返還請求訴訟を起す必要があります。
任意整理も特定調停も手続きは簡単で他の整理方法より時間がかかりません。
お金がなくて任意整理できないときは、どうしたらいいですか?
《相談者》 | 私の場合は任意整理がいいことはわかりましたが、弁護士や司法書士を頼むお金を用意できなかったら、どうしたらいいのでしょうか? |
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《相談員》 | 特定調停というのはどうでしょうか?いわば裁判所を通しておこなう任意整理です。 |
《相談者》 | 具体的にどういった手続きなのですか? |
《相談員》 | 簡易裁判所に自分で申し立てをし、弁護士や司法書士の代わりに調停委員に協力してもらいながら、債権者と交渉していくことになります。まだ、支払い不能にはなっていないけど、そろそろ返済が危険な人を救済する手段でもあるんです。 |
《相談者》 | 費用はどれくらいかかりますか? |
《相談員》 | 申立手数料と書類の郵送料実費の1000円前後で済みます。弁護士や司法書士費用を用意できない方に適した手段といえるでしょう。 |
《相談者》 | 申立の条件はありますか? |
《相談員》 | 毎月固定収入があることと、借金を3年程度の分割で払いで完済が見込めること、また、本人が裁判所に何度か出向けることです。 |
特定調停のポイント
- 利息制限法で借金を減らし、支払い能力に応じて返済していく
- 債務者に固定収入があり、3年~5年で完済できることが前提条件
- 債権者が同意しないと成立しない
- 借金の理由は不問
特定調停のメリット
- 債務整理のなかで費用が一番安い
- 任意整理よりも費用が安い
- 手続き中に強制執行されても、場合によっては停止できる
- 支払いが滞れば訴訟しないで強制執行されてしまう
- 5年~10年はお金が借りづらい
- 任意整理と違い手続きを自分でしないといけない
- 裁判所の出向から仕事を休んだりしないといけない
●自分で特定調停をする場合の費用
申立書印紙代:1社あたり700~1000円
郵便切手代:1社の場合500~1450円債権者が1件増えるごとに+約250円
数回出廷して和解が成立すれば、裁判所から自宅に調停調書が届き手続きは完了します。早ければ2ヶ月~3ヶ月の期間ですみます。
●特定調停を弁護士・司法書士に依頼した場合の費用
債権者1社につき、1~5万円