債務整理・借金相談のすみれ救援TOP ≫ 民事再生(個人再生)
個人再生手続とは
企業の債務処理のニューズで民事再生という言葉を耳にしたことはありませんか?これは事業者が倒産しそうになった場合に利用できる民事再手続き、再建型の債務処理のことです。
この民事再生手続を規定している民事再生法が改正され、個人向けの再生型債務整理手法、つまり生活再建型の解決手法としての個人再生手続が、国会で成立したのは2001年のことでした。任意整理、特定調停、自己破産なふぉ、従来からの債務の整理方法に加えて、新たに個人の借金を整理する救済手段が生まれたのです。
個人再生手続を簡単にいうと、1000万円の借金をした債務者が5分の1の200万円を3年間で返済するという再生計画案を立て、それが裁判所によって認可されて、計画案通りに200万円を返済すれば、残りの800万円は免除されるというものです。
個人再生手続の最大のメリットは、住宅ローン特則という制度を利用することで、住宅を手放さずに債務整理が行えることです。
個人再生手続には小規模個人再生と給与所得者等再生の2つの方法があり、債務者の状況に応じて利用できる方法が異なります。
小規模個人再生を考えた時
脱サラして飲食店を営んでいた司さん(仮名)赤字経営を続けてしまい、閉店を余儀なくされた。現在も店の運転資金として借りた多額の借金を抱えている。
《司さん》 | 私は数年前に会社を辞めて、夢だった喫茶店を開いたのですが、赤字経営に陥ってしまいました。店を続けるために消費鞘金融から借金を重ねているうちに金額が膨れあがってしまい、仕方なく店を手放しました。しかも、今もまだ600万円の借金が残っています。なにかいい手はないでしょうか?できれば将来、もう一度店を持ちたいと考えています。 |
---|---|
《相談員》 | 司さんはどのように返済しようとお考えですか? |
《司さん》 | 前職で取得した土地家屋調査士の資格を活用し、ひとまず不動産会社に再就職しました。妻もパートに出て、2人の給与収入を生活費と借金の返済にあてようと予定していたのですが、子供ができてしまい妻は働けなくなってしまいました。経済面で頼れる親類縁者もいないため、この先我が家の生活は立ち行かなくなってしまいそうです。 |
《相談員》 | なるほど、了解しました。お子さんのためにも、何とか借金を整理したいところですね。司さんの状況を見ると、考えられる債務整理の手続きとしては、自己破産か個人再生の手続の2つがあります。司さんは資格が仕事上必要とのことですので、資格制限がある自己破産は避けたいところですね。そこで、個人再生手続のうち、司さんが利用できる小規模個人再生について説明していきましょう。 |
小規模個人再生手続(借金の総額はどうなりますか?)
個人再生手続には、債権者の一定の同意が必要な小規模個人再生手続と、債権者の同意を必要としない給与所得者等再生手続の2種類があります。
小規模個人再生手続は、住宅ローンは考えず無担保債務の総額が5000万円以下で、継続した収入が将来も見込める人が利用できる制度です。サラリーマンはもちろん、自営業者や農業の仕事などでも活用できます。
個人再生手続では、原則として3年間で分割返済する再生計画案をつくり、それが裁判所に認可されると、抱えている借金の返済期間や返済額など、契約内容を変更してもらうことができます。もちろん計画案通りに返済を完了できることが前提ですが、生活に見合った返済が可能なので、非常に前向きな債務整理方法といえます。
実際に小規模個人再生手続を利用した場合、最低限返済しないといけない最低弁済額は、借金の金額によって次のように定められています。
小規模個人再生手続の補足
詳細がすぐ調べられない債権がありますが、手続は進められますか?
実際には手続の申し立てをした時点で、債務者と債権者間の取り引きの経過がはっきりせず、再生計画案に正しい内容を盛り込めないケースがあるでしょう。その場合には、現在わかる範囲の債権を記載します。
一方、債権者側も、裁判所から送付されてきた債権者一覧表の内容を確認し、内容に誤りがある場合は、期間内に裁判所に届け出ることができます。もし再生計画案から漏れてしまった債権があると、後に訴訟などのトラブルにもなりかねません。それを防ぐために、手続の中には何度か見直しのチャンスが設けられているのです。
債権者側から異議があった債権に対して、裁判所はその異議内容を評価するために、個人再生委員(通常は弁護士)を選任し、申し立て内容の評価を個人再生委員に聞いた上で、再生債権の内容を確定します。また、期間中に債権の届けでがされなかったものや、評価の対象となったものの内容が認められなかった債権は、原則的に再生計画案には盛り込まれず、返済しなくてもよいことになります。しかし、その後に訴訟などが起されて、債権の内容がはっきりすると、返済の義務が生じてしまう場合もあります。そうしたリスクを避けるためにも、再生計画案は慎重に作成する必要があります。
基準債権額
住宅ローン特則とは?住宅ローン条項とは?
住宅ローンの支払い額を減らすことできますか?
生活の基盤である住宅を維持したまま、住宅ローンの返済スケジュールを延長する手続です。よくある勘違いが住宅ローン自体の金額を少なくできると思っている方も中にはいますが、あくまでも支払いを繰り延べる制度なので、誤解のないようにしてください。
住宅ローン特別条項には次の4種類があります。
①期限の利益回復型
②弁済期間延長型
③元本の支払い猶予方
④住宅ローン債権者の同意方
自己破産手続きでは破産宣告時に住宅を所有している場合、住宅はお金に換えられ、その処分代金は債権者に配当されます。場合によっては競売にかけられてしまうこともあります。いずれにしても、債務者は最終的に住宅を維持できなくなってしまします。その点、個人再生手続を利用すれば、住宅を手放さずに生活することがが可能になります。
民事再生のメリットに変更
- ほとんどの場合に住宅を手放さずにすむ。
- 借金の金額が大幅に減る。
- 資格制限がない。
- 免責不許可事由がない。
- 破産しないですむ。
民事再生のデメリット
- 5年~10年は借金がしづらくなります。
●自分で民事再生(個人再生)をする場合の費用
申し立て手数料:1万円
予納郵券:5千~1万円
予納金(官報公告費用):約1万2千円
個人再生委員が選任された場合(裁判所により)は、予納金として新たに15万円~25万円かかります。
●民事再生(個人再生)弁護士・司法書士に依頼した場合の費用
着手金:1~50万円
弁護士・司法書士約25~100万円位
事情によって金額は大きく変動します。
法律事務所によって費用の内訳や料金設定が全く違うので、依頼する前に詳しく確認しましょう。